「イベントの案内を送る」「イベントの開催を告知する」。どちらも何かを知らせる場面で使いますが、どう使い分ければよいのでしょうか。
使い分けのポイントは、詳しい内容や手順などを示すのか、事柄を告げ知らせるのかです。
この記事では、「案内」と「告知」の意味の違いを、イベントやビジネスメールの例文とともに解説します。
「案内」と「告知」の違いを一言でいうと

「案内」は、道順や手順、詳しい内容などを示すこと。「告知」は、ある事柄を告げ知らせることです。
たとえば、イベントの日時や会場、申し込み方法を参加希望者に伝えるなら「案内」。イベントが開催されることをSNSなどで知らせるなら「告知」が使いやすいでしょう。
| 案内 | 告知 |
|---|---|
| 道順・手順・内容などを示す | 事柄を告げ知らせる |
| 例:参加方法を案内する | 例:イベントの開催を告知する |
ただし、意味は重なります。「開催のご案内」のように、案内でも開催自体を知らせられますし、告知の中に詳しい参加方法を書くこともできます。上の違いは、使い分けを考えるための目安です。
「案内」とは?

「案内(あんない)」には、道や場所が分からない人を導く意味と、詳しい内容や事情を知らせる意味があります。
「館内を案内する」なら、その場所へ連れていったり、説明しながら見せて歩いたりすること。「入学案内」や「利用案内」なら、内容や利用の仕方などを知らせることを表します。
「案内」を使う場面
- 来客を会議室まで案内する。
- 申し込みの手順をメールで案内する。
- 入学案内のパンフレットを取り寄せる。
- 取引先へ展示会の案内状を送る。
「こちらからお申し込みいただけます」のように、相手が次に何をすればよいか分かる説明には、「案内」がよく合います。
また、「披露宴にご案内する」のように、招待の意味で使う場合もあります。単に情報を知らせるだけでなく、人を導いたり、招いたりできるのが「案内」の特徴です。
「告知」とは?

「告知(こくち)」は、ある事柄を告げ知らせることです。
イベントの開催、新商品の発売、営業日程の変更など、知ってほしい事実を知らせる場面で使われます。
「告知」を使う場面
- 公式サイトでイベントの開催を告知する。
- SNSで新商品の発売を告知する。
- 店頭の掲示で営業時間の変更を告知する。
「告知」は、多くの人に向けて知らせる場面でよく使われますが、知らせる相手が大勢であることは必須ではありません。辞書には、本人に病名を告げる用例も載っています。
この記事では、日常や仕事で使う「告げ知らせる」という意味を中心に扱います。
「案内」と「告知」の使い分けを例文で比較
イベントについて知らせる場合
例文:参加希望者に、会場と申し込み方法を案内した。
参加するために必要な情報を示す場面です。会場への行き方や受付の手順などを伝えるなら、「案内」が自然です。
例文:公式SNSで、イベントの開催を告知した。
開催されるという事実を知らせる場面です。イベントの存在を知ってもらうことに着目した表現です。
サービスの変更を伝える場合
例文:新しい予約システムの使い方を案内する。
利用者が操作できるように、具体的な手順を説明しています。
例文:予約システムの変更を告知する。
システムが変わることを知らせています。同じお知らせの中で、変更を告知し、新しい使い方を案内することもできます。
人を目的の場所へ連れていく場合
例文:受付の担当者が、来場者を会場まで案内した。
ここでは、人を導く意味の「案内」を使います。「会場まで告知した」と置き換えることはできません。
迷いやすいポイント
「イベントの案内」と「イベントの告知」はどちらが正しい?
どちらも使えます。来場を促したり、日時や会場などを伝えたりするお知らせなら「イベントの案内」、開催を知らせる行為や投稿を表すなら「イベントの告知」が使いやすいでしょう。
ただし、案内は必ず詳しく、告知は必ず短いという決まりはありません。文章の長さではなく、何を伝えることに着目しているかで考えると整理できます。
ビジネスメールでは「ご案内」のほうが丁寧?
相手に内容を説明したり、参加を呼びかけたりするメールでは、「ご案内いたします」が使いやすい表現です。
たとえば、件名を「セミナー開催のご案内」、本文を「開催日時とお申し込み方法をご案内いたします」と書けます。
一方、社内で発信作業を説明するなら「来週、セミナーの開催を告知します」と書けます。「告知」自体が失礼なのではなく、相手へのお知らせなのか、知らせる行為の説明なのかによって、合う表現が変わります。
「案内」は個人向け、「告知」は大勢向け?
人数だけでは分けられません。案内も、Webサイトの利用案内のように不特定多数へ向けて出せます。告知にも、特定の相手へ事実を知らせる使い方があります。
「誰に知らせるか」に加えて、「内容や手順を示したいのか」「事柄を告げ知らせたいのか」を考えるのがポイントです。
似た言葉「周知」との違い

「案内」「告知」に似た言葉に、「周知(しゅうち)」があります。
「周知」は、広く知れわたっていること、また、広く知らせることを表します。
案内:内容や手順などを示す
例文:変更後の会場への行き方を案内する。
相手が会場へ行けるように、必要な情報を示しています。
告知:事柄を告げ知らせる
例文:会場が変更になったことを告知する。
会場変更という事実を知らせています。
周知:広く知ってもらう
例文:会場の変更を参加者全員に周知する。
関係する人たちに、情報を広く知らせることに着目しています。
告知しただけで、必ず全員に情報が届くとは限りません。会場変更を告知したうえで、メールや掲示でも周知を図る、といった使い方ができます。
まとめ
- 案内は、道順や手順、詳しい内容などを示すこと。人を導く意味や招待する意味もある。
- 告知は、事柄を告げ知らせること。多くの人への発信によく使うが、個人への知らせにも使える。
- 同じイベントでも、参加方法を示すなら「案内」、開催を知らせるなら「告知」が使いやすい。
- 周知は、情報を広く知らせることや、広く知れわたっていることを表す。
迷ったときは、内容や手順を示すなら「案内」、事柄を知らせるなら「告知」を目安にすると、選びやすくなります。
参考文献・出典
- 漢字ペディア「案内」
確認した内容:読み方、人を導く意味、詳細や事情を知らせる意味。 - コトバンク「案内」
確認した内容:道や場所へ導く意味、事情や様子を知らせる意味、招待の意味。 - 漢字ペディア「告知」
確認した内容:読み方、告げ知らせるという意味、特定の本人に知らせる用例。 - コトバンク「告知」
確認した内容:告げ知らせる・通知するという一般的な意味。 - コトバンク「周知」
確認した内容:広く知れわたっていること、広く知らせることという意味。 - 漢字ペディア「周知」
確認した内容:読み方、広く多くの人々に知れわたるという意味。
閲覧日:2026年10月22日
※本文の例文および図解・シーンイラストの構成案は、辞書の意味を踏まえて独自に作成しています。使い分けの説明には、実際の使用場面に即した整理を含みます。

