「案内の文言を修正する」「案内の文章を修正する」。どちらも使われる表現ですが、何が違うのでしょうか。
使い分けのポイントは、使われている語句や言い回しに注目するのか、まとまった内容として捉えるのかです。
この記事では、「文言」と「文章」の意味の違いを、メールや資料などの例文とともに解説します。似た言葉の「文面」との違いも紹介します。
「文言」と「文章」の違いを一言でいうと

「文言」は、文章中の語句や言い回し。「文章」は、文によってまとまった内容を表したものです。
| 文言 | 文章 |
|---|---|
| 文章中の語句や言い回し | 文によってまとまった内容を表したもの |
| どのような言葉を使うかに注目 | 内容や文のつながり、構成などに注目 |
| 例:ボタンの文言を変更する | 例:商品の魅力を文章で伝える |
たとえば、案内にある「必ずご参加ください」を「ぜひご参加ください」に変えるなら、「文言を修正する」と言うと、言い回しを調整することが伝わります。
一方、開催の目的や日時、参加方法を読みやすく書き直すなら、「文章を修正する」が使いやすいでしょう。
ただし、二つは意味が重なります。「文言は必ず一部分、文章は必ず全文」という厳密な区分ではなく、何に注目しているかを考えるための目安です。
「文言」とは?

「文言(もんごん)」は、文章の中で使われている語句や言葉を指します。
仕事では、案内文の言い回し、広告のフレーズ、画面に表示する言葉など、具体的にどの言葉を使うかを検討する場面でよく使われます。
「文言」を使う場面
- 案内メールの文言を、やわらかい言い回しに変更する。
- 申込ボタンの文言を「送信」から「申し込む」に変える。
- 資料に誤解を招く文言がないか確認する。
- 契約書の文言を一つずつ確認する。
たとえば、同僚から「この文言、少し強く聞こえない?」と言われたら、使われている言葉が相手に与える印象を確認する場面が考えられます。
説明の順番を組み替えるというより、「必ず」「至急」などの言葉が適切かを考えるときに、「文言」が使いやすくなります。
なお、辞書には「ぶんげん」という読みも載っています。この記事では、仕事のやり取りなどで使う「もんごん」を中心に説明しています。
参考:コトバンク「文言」
「文章」とは?

「文章(ぶんしょう)」は、文をつないで、考えや気持ちなどをまとまりのある形で表したものです。
報告、説明、感想などを、読み手が内容を理解できるひとまとまりのものとして扱う場面で使われます。
「文章」を使う場面
- 商品の魅力を文章で説明する。
- 報告書の文章を読み直す。
- 読み手に伝わりやすい文章を書く。
- 長い文章を、読みやすい段落に分ける。
たとえば、「この文章は結論が分かりにくい」と言われたら、個々の言葉に加えて、説明の順番や情報のつながりを見直すことが考えられます。
ただし、文章の修正が必ず大きな書き直しになるわけではありません。一語を変える場合にも「文章を直す」と言えるため、修正の規模だけで区別しないようにしましょう。
参考:コトバンク「文章」
「文言」と「文章」の使い分けを例文で比較
案内メールを修正する場合
例文:案内メールの文言を修正してください。
「ご提出願います」を「ご提出をお願いします」に変えるなど、使っている語句や言い回しの調整が思い浮かびます。
例文:案内メールの文章を修正してください。
言葉の選び方だけでなく、必要な情報がそろっているか、説明の順番が自然かなども含めて見直す場面で使えます。
依頼を具体的にするなら、「依頼の文言をやわらかくしてください」「結論が先に伝わるように文章を組み替えてください」と伝えると、修正の意図が分かりやすくなります。
Webサイトを作る場合
例文:申込ボタンの文言を変更する。
「送信」「申し込む」など、ボタンに表示する言葉を変える場面です。短いラベルにも「文言」が使われます。
例文:サービスの特徴を紹介する文章を書く。
どのようなサービスなのか、誰に役立つのかなどを、まとまった説明として書く場面です。
資料を確認する場合
例文:資料の文言が、実際の条件と合っているか確認する。
たとえば、「全員対象」という言葉が正しいかなど、記載された言葉の意味や正確さに注目しています。
例文:資料の文章が、初めて読む人にも伝わるか確認する。
専門用語の説明や文のつながりも含め、説明として理解できるかに注目しています。同じ資料でも、確認したい点によって使い分けられます。
迷いやすいポイント
「文言」は短く、「文章」は長い?
長さだけで決まるわけではありません。
「文言」は短い語句を指すことが多いものの、一文程度の言い回しを指すこともあります。また、「文章」も必ず複数の文からなるとは限らず、一文でまとまりをなす場合があります。
文字数よりも、具体的な言葉に注目するのか、まとまった内容として捉えるのかで考えると整理しやすくなります。
「文言」は契約書にしか使わない?
契約書や規約でも使いますが、それだけに限りません。
「広告の文言」「メールの文言」「ボタンの文言」のように、さまざまな場面で使えます。日常の会話で堅く感じる場合は、「この言葉」「この言い回し」と言い換えてもよいでしょう。
「文言を直す」と「文章を直す」は言い換えられる?
同じ修正を指して使える場合があります。
たとえば、案内の一文を丁寧な言い方に変える作業は、どちらでも伝わります。ただし、「文言を直す」は言葉の選び方、「文章を直す」は書かれた内容や組み立てにも目が向きやすい表現です。
修正を頼むときは、「どこを、どのように変えてほしいか」まで添えると、認識のずれを減らせます。
似た言葉「文面」との違い

「文面(ぶんめん)」は、文章、とくに手紙などに書かれている内容や、そこに表れている趣旨を指す言葉です。
「メールの文面を確認する」「文面から気遣いが伝わる」のように使います。
文言:使われている言葉に注目する
例文:この文言を、もう少しやわらかくしよう。
具体的な語句や言い回しが、相手にどう受け取られるかを考えています。
文章:まとまった内容として捉える
例文:説明の順番を変えて、文章を読みやすくしよう。
文のつながりや構成も含めて、説明の分かりやすさを考えています。
文面:書かれた内容や趣旨に注目する
例文:お礼の気持ちが伝わる文面にしよう。
メールや手紙に、どのような内容や気持ちが表れているかを考えています。
三つの言葉は意味が重なるため、別々のものとして厳密に分類する必要はありません。同じメールでも、言葉の選び方、説明のまとまり、書かれた趣旨など、注目する点によって使い分けられます。
参考:コトバンク「文面」
まとめ
- 文言は、文章中の語句や言い回しを指す。
- 文章は、文によってまとまった内容を表したものを指す。
- 二つは意味が重なり、文字数や修正の規模だけでは区別できない。
- 文面は、メールや手紙などに書かれた内容や趣旨に注目する言葉。
迷ったときは、使う言葉を調整するなら「文言」、内容のまとまりや構成を考えるなら「文章」を目安にすると、使い分けやすくなります。
参考文献・出典
- コトバンク「文言」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、文章の中の語句や言葉を指す意味、「ぶんげん」という読みもあること。 - コトバンク「文章」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、文によってまとまった考えなどを表す意味、一文だけで文章となる場合もあること。 - コトバンク「文面」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、文章、とくに手紙などに表された事柄や趣旨を指す意味。
閲覧日:2026年10月26日
※本文の例文は、辞書の意味を踏まえて独自に作成しています。使い分けの説明には、実際の使用場面に即した整理を含みます。

