「説明を補足する」「記事に追記する」。どちらも情報を付け加える場面で使いますが、どう使い分ければよいのでしょうか。
使い分けのポイントは、足りない内容を補うことに着目するのか、あとから書き足すことに着目するのかです。
この記事では、「補足」と「追記」の意味の違いを、会議やメール、Web記事の例文とともに解説します。
「補足」と「追記」の違いを一言でいうと

「補足」は、不十分なところを付け足して補うこと。「追記」は、あとから書き足すことや、その文章です。
たとえば、会議で説明が足りなかった部分を口頭で説明するなら「補足」。書き上げた議事録に、あとから一文を加えるなら「追記」が使えます。
| 補足 | 追記 |
|---|---|
| 不十分なところを付け足して補う | あとから書き足す・書き足した文章 |
| 口頭でも文章でも使える | 文章や記録に書き加える場合に使う |
| 例:説明を補足する | 例:記事に追記する |
ただし、二つの意味は重なります。説明不足を補うため、記事にあとから説明を書き足した場合は、「補足した」とも「追記した」ともいえます。
「補足」とは?

「補足(ほそく)」は、不十分なところに情報などを付け足し、補うことです。
仕事では、説明だけでは伝わりにくい部分に具体例を加えたり、資料だけでは分かりにくい条件を説明したりする場面で使います。
「補足」を使う場面
- 会議で、担当者の説明に補足する。
- 資料の内容を、具体例を挙げて補足する。
- メールで、料金の適用条件について補足する。
- 質問に答えながら、説明不足だった点を補足する。
たとえば、「補足すると、この料金には送料も含まれています」と伝えれば、料金について足りなかった情報を補えます。
補足は、文章に限った言葉ではありません。会議や授業などで、その場で口頭の説明を付け加える場合にも使えます。
参考:コトバンク「補足」
「追記」とは?

「追記(ついき)」は、あとからさらに書き足すこと、また、その書き足した文章を指します。
すでに書いた文章や記録に、書き忘れた事項や新しく分かった情報などを加える場面で使います。
「追記」を使う場面
- 記事に、新しく分かった情報を追記する。
- 議事録に、記載が漏れていた担当者名を追記する。
- メールの末尾に、持ち物について追記する。
- 案内文に、追加の日程を追記する。
たとえば、公開済みの記事に「追記:追加公演の開催が決まりました」と書き加えれば、あとから情報を加えたことが伝わります。
ただし、追記は公開後に限りません。送信前のメールや提出前の書類でも、いったん書いた内容にあとから書き足すなら使えます。
参考:コトバンク「追記」
「補足」と「追記」の使い分けを例文で比較
会議の内容を説明する場合
例文:会議で、提案の背景について口頭で補足した。
提案の意図が伝わるように、不足していた説明を補っています。口頭で説明しているため、この行為を「追記した」とはいいません。
例文:会議後、議事録に提案の背景を追記した。
すでにある議事録に、あとから文章を書き加えています。その文章が説明不足を補う内容なら、「背景の説明を補足した」とも表現できます。
Web記事に情報を加える場合
例文:専門用語の意味が伝わるように、説明を補足した。
読者が理解しやすくなるよう、足りない説明を補うことに着目しています。
例文:公開した記事に、追加開催の日程を追記した。
あとから決まった日程を書き加える場面です。元の記事に説明不足がなくても、情報をあとから書き足せば「追記」といえます。
案内メールに持ち物を書く場合
例文:持ち物について、補足の説明を加えた。
「筆記用具」のような大まかな案内に、「黒のボールペンをご用意ください」と具体的な説明を加える場面です。
例文:案内メールの末尾に、必要な持ち物を追記した。
いったん書き上げたメールに、持ち物の情報を書き足しています。送信前でも「追記」が使えます。
迷いやすいポイント
「補足」と「追記」はどちらか一方しか使えない?
同じ行為に、両方の言葉を使える場合があります。
たとえば、記事の説明が足りないと気づき、あとから具体例を書き加えた場合です。足りない説明を補うという点では「補足」、あとから書き足すという点では「追記」に当たります。
「説明を補足するため、記事に具体例を追記しました」と書けば、目的と行為をそれぞれ伝えられます。
「補足」は作成中、「追記」は公開後に使う?
作成中か公開後かだけでは分けられません。
公開後の記事でも説明不足を補えば「補足」です。公開前の原稿でも、いったん書いた内容にあとから書き足せば「追記」が使えます。
「いつ公開したか」よりも、足りない内容を補うのか、あとから文章を書き足すのかで考えると整理できます。
メールの見出しは「補足」「追記」のどちらがよい?
前の説明をより分かりやすくする内容なら「補足」、あとから書き加えた情報だと示したいなら「追記」が使いやすいでしょう。
- 補足:参加費には、当日の資料代も含まれます。
- 追記:当日は名刺を2枚お持ちください。
これらは使い方の一例です。参加費の説明をあとから書き加えたなら「追記」とも書けます。見出しは、読み手に何を伝えたいかに合わせて選びましょう。
似た言葉「補完」との違い

「補足」に似た言葉に、「補完(ほかん)」があります。
「補完」は、不十分な部分を補い、完全なものにすることです。
補足:足りない内容を付け足して補う
例文:調査結果の説明に、具体例を補足する。
説明に情報を加え、理解を助ける場面です。
追記:あとから書き足す
例文:調査報告書に、追加調査の日付を追記する。
すでに書いた報告書へ、あとから情報を書き加える場面です。
補完:不足を補って完全なものにする
例文:未調査の地域を追加で調べ、調査データを補完する。
抜けていた部分を埋め、データをそろえる場面です。
「補足」と「補完」は意味が近いものの、補完には「補って完全にする」という意味があります。補完も文章に使えるため、対象が文章かどうかだけで区別することはできません。
参考:コトバンク「補完」
まとめ
- 補足は、不十分なところを付け足して補うこと。口頭でも文章でも使える。
- 追記は、あとから書き足すことや、その文章。公開・送信前にも使える。
- あとから書き足して説明不足を補った場合は、「補足」と「追記」の両方に当てはまる。
- 補完は、不十分な部分を補って完全なものにすること。
迷ったときは、足りない説明を補うなら「補足」、あとから書き足すなら「追記」を目安にすると、選びやすくなります。
参考文献・出典
- コトバンク「補足」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、不十分なところを付け足して補うという意味、説明に用いる用例。 - コトバンク「追記」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、あとから書き足すことや、その文章という意味。 - コトバンク「補完」(デジタル大辞泉)
確認した内容:読み方、不十分な部分を補って完全なものにするという意味。
閲覧日:2026年10月25日
※本文の例文および図解・シーンイラストの構成案は、辞書の意味を踏まえて独自に作成しています。使い分けの説明には、実際の使用場面に即した整理を含みます。

