「会議の内容を記録する」「議事録に決定事項を記載する」。どちらも情報を書き残す場面で使いますが、どう使い分ければよいのでしょうか。
使い分けのポイントは、あとで確認できるように残すことに着目するのか、書類などに書き記すことに着目するのかです。
この記事では、「記録」と「記載」の意味の違いを、会議や書類作成での例文とともに解説します。似た言葉の「記入」との違いも紹介します。
「記録」と「記載」の違いを一言でいうと

「記録」は、あとで確認できるように物事を残すこと。「記載」は、書類や書物などに情報を書き記すことです。
| 記録 | 記載 |
|---|---|
| あとで確認できるように残す | 書類などに書き記す |
| 文字・音声・映像などで残せる | 文字で書き表す場合に使う |
| 例:会議の内容を記録する | 例:議事録に決定事項を記載する |
たとえば、会議のやり取りを録音して残すなら「記録」。会議で決まった担当者や期限を議事録に書くなら「記載」が使えます。
ただし、二つは意味が重なります。会議の決定事項を議事録に書き残す行為は、「記録する」とも「記載する」とも表せます。何を強調したいかで選ぶとよいでしょう。
「記録」とは?

「記録(きろく)」は、将来のために物事を残しておくこと、また、残したものを指します。
文字で書くだけでなく、音声や映像、デジタルデータとして残す場合にも使える言葉です。
「記録」を使う場面
- 会議で話し合った内容を記録する。
- 毎日の体温をアプリに記録する。
- 作業の様子を動画で記録する。
- 実験の結果をノートに記録する。
たとえば、機械の不具合が起きたとき、発生時刻やそのときの状況を残しておけば、あとから原因を調べやすくなります。このように、後日の確認や振り返りに備えて残す場面には「記録」がよく合います。
なお、「大会記録」「自己記録」のように、競技の成績や結果を表す使い方もあります。この記事では、主に情報を残す意味を扱います。
参考:コトバンク「記録」
「記載」とは?

「記載(きさい)」は、書類や書物などに情報を書き記すことです。書かれた内容を指す場合もあります。
どの書類に何を書くか、どの情報が書かれているかを表す場面で使いやすい言葉です。
「記載」を使う場面
- 報告書に調査結果を記載する。
- 契約書に支払条件を記載する。
- 説明書に記載された手順を確認する。
- 申請書の記載内容に誤りがないか確かめる。
たとえば、イベントの案内文を作るとき、「開催日時と会場を記載してください」といえば、何を文面に書くべきかを具体的に伝えられます。
「記載」は紙の書類に限りません。PDFの資料やWebページなど、電子的な文書に書かれた情報にも使えます。なお、生物分類学には専門的な意味もありますが、ここでは日常やビジネスでの使い方を中心に説明しています。
参考:コトバンク「記載」
「記録」と「記載」の使い分けを例文で比較
会議の内容を残す場合
例文:あとで振り返れるように、会議の内容を記録する。
話し合いの内容を残しておくことに着目しています。メモや議事録だけでなく、録音などで残す場合にも使えます。
例文:議事録に、決定事項と担当者を記載する。
議事録という文書に、具体的な情報を書くことに着目しています。
点検の結果をまとめる場合
例文:設備の状態を、写真とメモで記録した。
例文:点検報告書に、異常が見つかった箇所を記載した。
現場の状態を残しておくなら「記録」、報告書に何を書くかを示すなら「記載」が使いやすいでしょう。
書かれている情報を確認する場合
例文:過去の対応記録を確認する。
これまでの対応を残した資料やデータを確認する場面です。
例文:説明書に記載されている注意事項を確認する。
説明書の中に書かれている情報を確認する場面です。「記録」は残された情報そのもの、「記載」は文書に書かれていることを表しています。
迷いやすいポイント
「議事録に記録する」と「議事録に記載する」はどちらが正しい?
どちらも使えます。
「議事録に記録する」は、会議の内容を残すことに重きを置いた表現です。「議事録に記載する」は、議事録に情報を書くことに重きを置いています。
たとえば「決定事項を議事録に記載する」は、その文書に含める内容を指定したいときに使いやすい表現です。
「記録」は音声や映像、「記載」は文字だけ?
記録には文字も含まれます。日記や作業メモ、議事録も記録の一つです。
「記載」は、日常やビジネスでは、文書などに文字で書き記す場合に使います。そのため、会話を録音するだけの行為を「会話を記載する」とは通常いいません。「会話を記録する」「会話を録音する」と表すと自然です。
「記載」は正式な書類にしか使えない?
正式な書類だけに限定される言葉ではありません。案内文や説明書、Webページなどにも使えます。
ただし、日常会話では少しかたい印象になることがあります。気軽に伝えるなら、「ここに書いておいてね」のように言い換えてもよいでしょう。
似た言葉「記入」との違い

「記入(きにゅう)」は、所定の用紙や欄などに文字や数字を書き入れることです。
三つの言葉は、次のように整理すると分かりやすくなります。
記録:あとで確認できるように残す
例文:面談で話した内容を記録する。
面談の内容を、あとから振り返れるように残しています。
記載:書類などに書き記す
例文:面談報告書に、今後の対応方針を記載する。
報告書に書く内容を示しています。
記入:所定の欄などに書き入れる
例文:面談シートの氏名欄に、名前を記入する。
決められた欄に情報を書き入れています。
ただし、「必要事項を記載する」「必要事項を記入する」のように、どちらも使える場合があります。特に、書き手に欄を埋めてもらう場面では「記入」、書類に含める情報を示す場面では「記載」を目安にすると選びやすくなります。
参考:コトバンク「記入」
まとめ
- 記録は、あとで確認できるように物事を残すこと。文字のほか、音声や映像などにも使える。
- 記載は、書類や書物などに情報を書き記すこと。
- 議事録に決定事項を書き残すなど、どちらも使える場面がある。
- 記入は、所定の用紙や欄などに書き入れること。
迷ったときは、「あとで確かめられるように残す」なら記録、「書類などに書く」なら記載、「決められた欄に書き入れる」なら記入を目安にすると、使い分けやすくなります。
参考文献・出典
- コトバンク「記録」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、将来のために物事を残す意味、残したものを指す用法、音声・映像・デジタルデータを含むこと、競技の成績を表す意味。 - コトバンク「記載」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、書類や書物などに書き記す意味、その内容を指す用法、生物分類学での専門的な意味。 - コトバンク「記入」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
確認した内容:読み方、所定の用紙や欄などに文字や数字を書き入れる意味。
閲覧日:2026年10月25日
※本文の例文は、辞書の意味を踏まえて独自に作成しています。使い分けの説明には、実際の使用場面に即した整理を含みます。

