MENU

「開示」と「公表」の違いは?意味と使い分けを例文・図解で解説

「開示」と「公表」の違いは?意味と使い分けを例文・図解で解説

「情報を開示する」「調査結果を公表する」。どちらも、情報を人に知らせる場面で使う言葉ですが、どう使い分ければよいのでしょうか。

使い分けのポイントは、情報の内容を明らかに示すことに着目するか、広く世間に発表することに着目するかです。

この記事では、「開示」と「公表」の意味や使い分けを、ビジネスや日常の例文とともに解説します。似た言葉の「公開」との違いや、混同しやすいポイントも紹介します。

目次

「開示」と「公表」の違いを一言でいうと

「開示」は、情報の内容を明らかに示すこと。「公表」は、情報を広く世間に発表することです。

開示公表
情報の内容を明らかに示す広く世間に発表する
本人や関係者に示す場合も、広く示す場合もある一般の人々に向けて知らせる
例:本人に保有する個人データを示す例:調査結果をWebサイトで発表する

たとえば、本人からの請求に応じ、その人に関するデータを本人に示すのは「開示」です。一方、調査結果を一般の人に向けて発表するのは「公表」といえます。

ただし、「開示」は相手を限定する場合だけの言葉ではありません。企業が投資者に向けて経営情報を広く明らかにすることも「開示」と呼びます。

参考:コトバンク「開示」、コトバンク「公表」、日本取引所グループ「適時開示制度の概要等」

「開示」とは?

「開示(かいじ)」は、物事をはっきりと示すことです。情報について使う場合は、持っている情報やその内容を相手に明らかにすることを表します。

本人にデータを示したり、取引先に資料の内容を明らかにしたり、企業が経営情報を示したりする場面で使われます。

「開示」を使う場面

  • 本人からの請求に応じ、保有個人データを開示する。
  • 秘密保持契約を結んだ取引先に、技術情報を開示する。
  • 審査の対象となった本人に、評価の内訳を開示する。
  • 企業が投資者に向けて、重要な経営情報を開示する。

たとえば、取引先との契約に基づいて技術資料を見せる場合、相手に資料の内容を明らかにするので「開示」が使えます。資料を一般の人に向けて発表する意味までは含みません。

また、「開示」は請求を受けて行う場合に限りません。企業が自ら情報を示す場合にも使われます。

参考:コトバンク「開示」、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、日本取引所グループ「適時開示制度の概要等」

「公表」とは?

「公表(こうひょう)」は、情報や事実を広く世間に発表することです。

公的機関や企業などが、調査結果や決定事項などを正式な情報として知らせる場面でよく使います。「誰にでも知られる形で発表する」という点がポイントです。

「公表」を使う場面

  • 自治体が住民アンケートの集計結果を公表する。
  • 企業が不具合の調査結果を公表する。
  • 選考委員会が受賞者を公表する。
  • 研究チームが調査で分かった事実を公表する。

たとえば、アンケートの結果をWebサイトに掲載し、一般の人に向けて発表するなら「公表」が自然です。特定の担当者に結果を見せるだけなら、通常は「公表」とはいいません。

なお、「公表」は行政だけが使う言葉ではありません。企業や団体のほか、個人が事実を世間に知らせる場合にも使えます。

参考:コトバンク「公表」

「開示」と「公表」の使い分けを例文で比較

調査に関する情報を知らせる場合

例文:調査の対象となった本人に、評価の内訳を開示した。

本人に具体的な内容を示す場面です。内容を明らかにすることに着目しているので、「開示」が合います。

例文:調査結果をまとめ、公式サイトで公表した。

一般の人に向けて結果を発表する場面です。世間に知らせる行為に着目するため、「公表」が自然です。

企業の経営情報を知らせる場合

例文:企業が投資者に向けて、決算情報を開示した。

経営の状況を明らかに示す場面です。投資判断に必要な情報を示すという文脈では、「開示」がよく使われます。

例文:企業が今年度の決算結果を公表した。

決算結果を広く世間に発表することに着目した表現です。同じ情報を知らせる行為でも、文脈によって「開示」「公表」のどちらも使える場合があります。

取引先に資料を見せる場合

例文:契約に基づき、取引先に製品の技術情報を開示した。

取引先に情報の内容を示す場面なので、「開示」が合います。

ここで「技術情報を公表した」とすると、その取引先だけでなく、世間に向けて発表した意味になります。相手や情報を扱う範囲が変わって伝わるため、注意しましょう。

迷いやすいポイント

「開示」は特定の人だけに知らせること?

特定の人に知らせる場合もありますが、それだけではありません。

本人に対するデータの開示のように、相手を限定する場面もあれば、上場会社の適時開示のように、投資者に広く情報を示す場面もあります。

「開示は限定的、公表は全員向け」とだけ覚えるより、「開示は内容を明らかに示すこと、公表は広く世間に発表すること」と整理すると、使い分けやすくなります。

参考:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、日本取引所グループ「適時開示制度の概要等」

「開示」は義務で、「公表」は任意?

言葉の意味だけで、義務か任意かが決まるわけではありません。

「開示」「公表」は、情報をどう示すか、誰に向けて知らせるかを表す言葉です。義務があるかどうかは、その場面に適用される法令や規則、契約などで確認する必要があります。

たとえば、「公表」と書かれているから自由に発表できる、「開示」と書かれているから必ずすべてを示す、と判断することはできません。

似た言葉「公開」との違い

「公開(こうかい)」は、特定の人に限定せず、広く一般の人が見たり利用したりできるようにすることです。

言葉着目する点例
開示内容を明らかに示す本人に評価の内訳を開示する
公表広く世間に発表する調査結果を公表する
公開一般の人が見たり利用したりできるようにする調査報告書の全文を公開する

たとえば、調査結果の要点を記者会見で知らせるなら「公表」、報告書の全文を誰でも読めるようにするなら「公開」が合います。

ただし、これらは意味が重なります。Webサイトで調査結果を発表し、報告書を読めるようにすれば、「結果の公表」と「報告書の公開」を同時に行うことになります。

参考:コトバンク「開示」、コトバンク「公表」、コトバンク「公開」

まとめ

  • 「開示」は、情報の内容を明らかに示すこと。
  • 「公表」は、情報を広く世間に発表すること。
  • 「開示」は、相手を限定する場合にも、広く情報を示す場合にも使う。
  • 「公開」は、一般の人が見たり利用したりできるようにすること。

迷ったときは、「内容を明らかにする」なら「開示」、「世間に発表する」なら「公表」を目安にしてみましょう。同じ情報を扱っていても、どの点を伝えたいかによって言葉を選べます。

出典・参考資料

  1. コトバンク「開示」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
    確認した内容:読み方、物事をはっきりと示す意味。
  2. コトバンク「公表」(デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典)
    確認した内容:読み方、正式な情報として世間に発表する意味、広く世間に発表する意味。
  3. コトバンク「公開」(デジタル大辞泉)
    確認した内容:特定の人に限定せず、一般の人々に観覧や使用などを許す意味。
  4. 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(3-8-3「保有個人データの開示」)
    確認した内容:本人による保有個人データの開示請求と、本人に対して開示する仕組み。
  5. 日本取引所グループ「適時開示制度の概要等」
    確認した内容:上場会社が投資者の視点に立ち、迅速・正確・公平な会社情報の開示を行うという基本理念。

閲覧日:2026年10月27日

※本文の例文は、辞書の意味を踏まえて独自に作成しています。使い分けの説明には、実際の使用場面に即した整理を含みます。

目次